タコの吸盤やハゼのうろこ模様などをデザインしたユニークなネクタイやTシャツが、漁業の盛んな大阪府泉佐野市で誕生した。芸術で地域活性を図るアートプロデューサー、染川明義さん(58)=奈良市在住=らが、泉佐野の漁港で水揚げされたイカやタコに着目し、表面の模様をコンピューター入力してデザイン化。ヒョウ柄などアニマルプリントブームの中、“お魚プリント”として注目されそうだ。
関西など各地でアートを生かした街づくりを手がける染川さんは、関西空港のおひざ元でありながら、財政難などに苦悩する泉佐野市に注目。昨年5月、市内の商店街の空き店舗を拠点に、活性化プロジェクトに取り組んだ。
その際、染川さんや知人の大阪芸術大大学院生らが、市内の商店街の鮮魚店にイカやタコなどが並んでいるのに興味をもった。ファッション界では、トラやシマウマなど動物の模様をワンピースやバッグにあしらったデザインが人気となっているが、染川さんは「海に囲まれた日本で、最も身近な魚を利用しない手はない」と、鮮魚店でさっそく魚を買い求め、デザイン化にチャレンジした。
手法もユニークで、外観をカメラで撮影するのではなく、イカやタコ、ハゼなどを直接スキャナーのガラス面に載せ、表面の模様をコンピューターに入力。その際、魚の水分がスキャナーにしみ出すのを防ぐため、ガラス面にラップを張るなど工夫した。
うろこ独特の文様はそのまま生かして、ピンクや水色などカラフルに着色。円形や幾何学模様が浮かび上がるTシャツやネクタイの試作品が仕上がった。将来的には、さまざまな芸術家が市内に集まって斬新なデザインを発進するアートの拠点にと構想は広がる。
試作品完成を受け、染川さんらは今夏、地球温暖化に伴う海面上昇で水没の危機にある南太平洋上の国・ツバルを訪れ、現地の魚のデザイン化も手がける予定。染川さんは「島の水没は食い止めることができないかもしれないが、ツバルの魚のデザインが世界のファッション界に注目されれば、現地の人たちの新しいビジネスにもなる」と期待を込める。
染川さんは23日午後2時から、大阪府泉大津市の市民会館で魚のデザインをテーマに講演、先着200人で無料。
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