衆院外務委員会(鈴木宗男委員長)は2日午前、日米間の核持ち込みなどの「密約」について、調査を行った外務省有識者委員会メンバーの坂元一哉阪大教授と春名幹男名大教授ら、計4人から参考人質疑を行った。
有識者委が「密約でない」とした、沖縄返還時の核再持ち込みをめぐって当時の佐藤栄作首相とニクソン米大統領が交わした「合意議事録」について、坂元氏は密約にあたるとする認識を示した。
坂元氏は「合意議事録」について、「文書がなければ沖縄が核抜き本土並みという形で返ってきたかどうか疑問を感じている。表に出たもの(声明)より踏み込んだものだった」と指摘した。我部政明琉球大教授も「日本本土に比べ、沖縄に(基地使用の)一層のフリーハンドを与えたもので、いわば『密約中の密約』だ」と強調した。
これに対し、春名氏は「大変重大な文書で、結論について議論があるのは承知しているが、やむを得ない結論だった」と述べた。
また、外務省内で密約関連文書の一部が破棄された疑いが出ていることについて、坂元氏は「重要文書について疑問のある残り方だから疑いが生じる。疑いを晴らすためにも真剣な調査が必要だ」と述べた。
春名氏も「意図的な廃棄があったとすれば動機が問われなければならない」と外務省による徹底究明を求めた。
密約をめぐる衆院外務委の参考人質疑は3月19日に続き2度目。ほかに、国際問題研究者の新原昭治氏が出席した。
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